こども食堂について、早稲田奉仕園にてお話をさせていただきました。
キリスト者ら20名の方々がご参加されました。7月21日(木)のこと。
アットホームで真摯な姿勢が、そこにありました。
キリスト教の世界にも、こども食堂の風が吹こうとしています。
(酒井義一住職)
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7月21日(木)にStudy Hall の第二弾として「地域に広がる『こども食堂』〜世田谷にあるお寺さんの活動から〜」を開催し、18名の方が参加くださいました。
タイトルの通り、講師としてお迎えしたのは、お寺の住職さんです。世田谷にある真宗大谷派存明寺の酒井義一さんよりお話いただきました。
ところで、みなさんは、首都圏を中心に様々な地域に広がっている「子ども食堂」という取り組みを知っていますか。
子ども食堂は、経済的な厳しさや仕事の忙しさなど、様々な理由から食事を作りともに食べることの難しい家庭の子どもたちや親子に、低料金や無料で栄養満点の食事を提供する取り組みです。現在、300箇所を超える子ども食堂が開かれ、その数は現在においても増えています。
たくさんの「こども食堂」が開かれている中、今回のイベントには、存明寺住職の酒井さんをお招きしました。「子ども食堂」の取り組みどれも尊く素敵ですが、「お寺が開くこども食堂」はまた素敵だなあ、と感じたからです。
今回のプログラムは二部構成で、第一部では存明寺で開かれる「ぞんみょうじこども食堂」について、経緯やその実際の様子について酒井さんよりお話いただきました。
存明寺では、地域の子どもたちやお母さんたちが集う「ぞんみょうじこども会」や「子育てサロンいちごのへや」という取り組みを行っていて、その活動からつながる形で、酒井さんのお連れ合いさんの熱意のもと、「ぞんみょうじこども食堂」をはじめられた、ということです。
「ぞんみょうじこども食堂」を始めようと考えていた当初は、「果たして貧困状態にある子どもを救うことができるのか」と躊躇する気持ちがあったと伺いました。そんなときに、子ども食堂のコーディネーターの方の「10人子どもが集まった中でたった1人でも貧困状態にある子どもが食べてくれればそれでいいし、仮にゼロでもいい、なぜなら『こども食堂』という場がさらに広がって、これから届くかもしれないから」というようなアドバイスを受けてハードルがさがり、開設を決意されたそうです。それから、「貧困」の意味を広げて捉え、心のふれあいを求めるお母さんたちや子どもたちの子育て支援や居場所作りを大切にした「ぞんみょうじこども食堂」が月に1回行われています。
第二部は、早稲田奉仕園の片岡が聞き手となり、対談として行いました。統計的な資料も参考にしつつ、子ども食堂の背景にある貧困についての話から、酒井さんの実感や、子ども食堂での印象的な体験、言葉をお聞きし、その後全体を振り返っての質疑応答の時間をもってプログラムを終えました。
プログラムを通して多くの印象的な言葉を伺いましたが、その中でも印象的だったのは、酒井さんがお話された「ひとりと出会う」という言葉です。集まる子どもたちやお母さんたちの顔と名前を覚え、一人ひとりと話すことができるように、「ぞんみょうじこども食堂」では、宣伝や告知を控え、今あるつながりを大切にしていらっしゃる、ということでした。何かの取り組みを行うときに、「人数が多ければ多い方がいい」と考えてしまいがちな中、無理がなく、一人ひとりとコミュニケーションをとれる人数を保つ、というのはとても大切な考え方だなと感じました。
ぞんみょうじこども食堂では、現在、見学やお手伝いの募集も行っていないということですが、こども食堂ネットワークのホームページには、お手伝いの募集も含めて、こども食堂についての情報が集まっています。関心ある方ぜひご覧になってみてください。
以上「早稲田奉仕園スタッフのブログ」より